Apple製品(iPhone/iPad/Mac/AppleTV)向けにDRM配信をするには、AppleのDRMであるFairPlay Streaming(以下、単にFPS)を使う必要があります。前回の記事では、FPSを始めたい場合には証明書の取得が必要で、その取得方法についてご紹介しました。この記事では、実際にライセンスサーバーやコンテンツのパッケージングをするにはどうすればよいかを簡単に説明します。

FPSの実装を始めるには

WidevinePlayReadyの場合と異なり、FPSは資格取得や契約等の手続きは必要ありません。必要となるのは、Appleより提供されている「FairPlay Streaming Server SDK」内にあるドキュメント等に従って、ライセンスサーバーなどの実装を進めていくことです。FairPlay Streaming Server SDKを取得するにはApple Developer Programのアカウントが必要となります。

FPSで必要な実装

以下、FPSで必要な実装について説明します。

コンテンツのパッケージング

再生するコンテンツの暗号化とHLS形式へのトランスコードを行うために、ドキュメントに記載のあるAppleが提供するツールなどを使用してパッケージングします。コンテンツが多数ある場合は、スケーラブルなパッケージングシステムを構築する必要があります。

ライセンスサーバー

FairPlay Streaming Server SDKに、実装に必要なドキュメント、サンプルコード、テスト用ツールが含まれていますので、そちらに従って実装していきます。コードはC言語で書かれているため、C言語以外で実装する場合は、読み替えて実装していく必要があります。DRMコンテンツを再生するためにはライセンスサーバーは必須であるため、サーバー側は可用性が高くスケーラブルなものである必要があります。

クライアント(ネイティブアプリ)

ブラウザの場合は、有償のHTML5プレイヤーなどを使用すればよいですが、ネイティブアプリの場合は、ドキュメントとサンプルコードを参照しながら実装していく必要があります。

さいごに

簡単にFPSを自前で実装する方法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。自前で実装していくには、英語のドキュメントを読み解き、様々な仕様を理解しておく必要があり、いろいろと手間がかかり大変です。弊社サービスでは、パッケージングシステムやライセンスサーバーを提供しておりますので、開発・運用のコストが負担である場合は是非ともご利用ください。