Apple製品(iPhone/iPad/Mac/AppleTV)向けにDRM配信をするには、AppleのDRMであるFairPlay Streaming(以下、単にFPS)を使う必要があります。Apple製品向けにDRM配信の準備をするにあたって必要なコンテンツのパッケージングサーバー、再生時に暗号化された動画を復号するために必要なライセンスサーバーは、DRMプロバイダーから提供されるものを利用すればよいですが、DRM配信をしたいユーザ自身で用意しなければならないものがあります。

それはFairPlay Streaming証明書(以下、単にFPS証明書)と呼ばれるもので、ユーザ自身がAppleより取得する必要があります。この記事では、FairPlay証明書の取得方法の概要について解説いたします。

FPS証明書とは

DRMコンテンツを再生する際、暗号化されたコンテンツを復号するために、クライアントデバイスは、ライセンスサーバーに対してライセンスを要求します。FPS証明書は、このクライアントデバイスとライセンスサーバーとのやり取りをセキュアにするために必要なものとなります。

このFPS証明書は、DRMプロバイダーが取得できるものではなく、コンテンツの所有者、あるいは、コンテンツの配信権を持っている者のみが申請できるものとなります。

FPS証明書の取得手順

FPS証明書はAppleより取得する必要がありますが、手順としては以下となります。

前提

AppleよりFPS証明書取得を申請するには、Apple Developer Programのアカウントホルダー権限を持ったユーザである必要があります。

取得手順

①Deployment Packageを申請

Appleの下記ページより、Deployment Packageを申請します。アクセスするには、Developerアカウントでサインインする必要があります。
 https://developer.apple.com/contact/fps/

申請の際には、ユーザの会社名や配信WebサイトURL、申請の理由などを問われますので入力し、申請します。

②Appleからの確認メールに返信

Deployment Package申請後、Appleから申請時に入力した内容についての確認のメールが来ますので返信します。スムーズに行けば、1~2週間ほどで、FPS証明書を取得する準備が整いますが、場合によっては1か月かかる場合もございますので、早めの準備が必要となります。

コンテンツ所有者であるか、コンテンツ配信権を持っていることが伝われば基本的には問題ありません。申請が認められれば、AppleからDeployment Packageが送付されます。

③FPS証明書用のCSR(Certificate Signing Request)を作成

Deployment Packageには、FPS証明書の取得方法について詳細が記載されています。取得にあたっては、まずユーザ自身が証明書作成用のCSRを作成します。

④FPS証明書を取得

作成したCSRをFPS証明書取得画面に入力し、画面を進めればダウンロードすることができます。注意点としては、ダウンロード前に表示される「Application Secret key(ASk)」は必ずメモしておいてください。ライセンスサーバーに設定する必要があるためです。

さいごに

この記事では、FPS証明書の取得手順について簡単に説明してきましたが、ここまでの手順はすべて英語となります。申請画面やDeployment Packageだけでなく、Appleとのやり取りも英語となりますので、もしかしたらハードルが高く感じられるかもしれません。弊社では、Multi DRM Kitをご契約されたお客様のFPS証明書取得をサポートすることも可能ですので、DRM配信をされる場合は、ぜひともご検討ください。