AWS Elementalメディアサービスを使用されて動画配信を実現されている方々も多いかと思います。しかし、そのような中でDRMを実現するには、どうすればよいのだろうとお悩みの方に向けて、本記事では AWS ElementalメディアサービスでDRMを導入する方法について簡単に説明していきます。

AWS Elementalメディアサービスとは?

AWS Elementalメディアサービスは、2015年にAmazon Web Services, Inc.(以下、AWS)がElemental社を買収して誕生したソリューションです。Elemental社は、もともと放送業界向けに数々の動画配信ソリューションを提供していた会社で、AWSに買収されたことにより、AWSと密な連携ができるようになりました。

AWS ElementalメディアサービスでのDRM実現方法

AWS ElementalメディアサービスでDRM機能を使えるものは、AWS
Elemental MediaConvert・AWS Elemental MediaPackageとなります[1] 。これらサービスでDRMを実現するには、AmazonパートナーのDRMソリューションプロバイダーが提供するサービスを利用することで可能となります。

AmazonパートナーのDRMソリューションプロバイダーの一覧は以下リンクで確認することができます。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/speke/latest/documentation/customer-onboarding.html
弊社はAWS ElementalメディアサービスのDRMソリューションプロバイダーですので、ご興味がある場合は是非お問合せください。

AWS ElementalメディアサービスにおけるDRM配信のフロー

では、AWS Elementalメディアサービス[2]でのDRMを実現する際のフローを簡単に見ていきましょう。まずは、下図で全体のフローをご確認ください。

AWS ElementalメディアサービスにおけるDRM配信のフロー

まず「①」で暗号化前の動画をAWS Elementalメディアサービスに投入します。AWS Elementalメディアサービスで動画をエンコード・トランスコード処理する際、「②」にあるようにDRMソリューションプロバイダーが提供するキーサーバーから暗号鍵を取得します。この部分は「SPEKE」と呼ばれるセキュアな暗号鍵をやり取りするための仕様にのっとり暗号鍵を取得しますが、こちらはURLやいくつかの設定項目を指定するだけで簡単に実現できます。

AWS Elementalメディアサービスはここで取得した暗号鍵を基に動画を暗号化し、「③」で配信します。「④」で暗号化された動画をユーザが取得し、再生を開始するとき、プレイヤーはその動画がDRMで暗号化されていることを検知し、「⑤」で暗号化された動画を再生するためのライセンスを取得します。このライセンスを取得する部分についてもDRMソリューションプロバイダーが提供する「ライセンサーバー」を使用し取得します。

さいごに

AWS ElementalメディアサービスでDRMを実現する方法について簡単に説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。AWS ElementalメディアサービスでのDRM動画配信を始めるにあたり、不明な点は多いかと思いますが、この記事が皆様の一助となれば幸いです。AWS Elemental MediaConvert、AWS Elemental MediaPackageでの設定方法については、次回以降の記事でご紹介していきたいと思います。

弊社はAWS ElementalメディアサービスのDRMソリューションプロバイダーですが、DRM部分以外にも動画配信全般でお悩みの場合にサポート可能ですので、お気軽にご相談ください。



  1. AWS Elemental Live、及び、AWS Elemental DeltaでもDRMを使用することが可能です。[]
  2. AWSメディアサービスは様々なサービスの総称ですが、ここでは便宜上、AWS Elemental MediaConvert、あるいは、AWS Elemental MediaPackageのことを指します。[]