DRMをやり始めようと思ったときに、いろいろ調べてみると、どうやらAndroidやChromeブラウザ向けには、Google Widevineというものを使うらしい、と聞いたことがある人もいるかと思います。しかし、いざ自分たち自身でやり始めようとなると、どうやって準備してよいのか分からないという方々は多いのではないでしょうか。この記事は、そんな方々のために、自前でGoogle WidevineによるDRM動画配信をやる方法について、簡単な概要を説明していきます。(Google Widevineは以下、単にWidevineと呼称します)

ここに記載のある方法は自前でやる場合についてのものです。自前で用意をしなくとも、弊社のサービスを使えば、Widevineを使用することが可能ですので、ご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

Widevineを始めるまでの流れ

全体の流れについて、ざっと見てみましょう。

  1. Widevineパートナーとなる
    1. Widevineにサービスを開始したいと連絡をする
    2. NDAや各種合意書に署名する
    3. 注文フォームに入力後、所定の金額を入金
    4. メンバー用ポータルサイトにアカウント作成
    5. Widevine主催のトレーニングに参加し、試験に合格
  2. Widevineの利用を開始する
    1. サービスの利用資格をWidevineに依頼する
    2. Widevineプロキシサーバーを構築する

いろいろと細かく書きましたが、 Widevineを自前で準備できるようになるためには、まずはパートナーとならなければなりません。パートナーになって初めて、サーバー側の準備等を始められるようになりますが、この中で、一番のハードルが高いのが、5番のトレーニング参加かと思いますので、そのことについて、より詳細をご説明していきます。

Widevineトレーニングと試験について

Widevineのパートナーになるためには、Widevine主催のトレーニングへの参加が必須となります。毎年(数か月に1回ペース)、世界のどこかでトレーニングが開催されているため、そちらに参加することが可能です。また、Widevineパートナーになるための要件として1社、最低2名の資格保有者が必要となるため、初めての場合は、2名をトレーニングに参加させる必要があります。

トレーニングはすべて英語で行われるため、ある程度の英語力がないとついていけません。また、技術系トレーニングならば、ある程度単語を拾っていけば大丈夫だろう、と思われるかもしれませんが、動画配信の、それもDRMについてある程度の知識がないと、ついていけないため、その点も注意が必要です。

トレーニングは1週間弱ありますが、それが終わると、いよいよ試験となります。試験を受けるのはトレーニング終了後の指定期間内に受ける必要がありますが、もちろん、この試験も英語となります。その試験に合格すると晴れて、Widevineパートナーになれ、Widevineを使用していくことが可能となります。

さいごに

Widevineを自前で始める方法について簡単に説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。この記事が、これからWidevineを始めようという方に役立つ記事となれば幸いです。

ちなみに、Widevineパートナーとなれた後も、サーバー構築や不定期のアップデートなど運用面でも、対応が必要となってきますので、当然、費用はかさんできます。すべて自社でやるのは結果的にコストがかかってくる場合もありますので、例えば、弊社のMulti DRM KitのようなWidevineを提供しているサービスを利用し、本当に集中したいことにリソースを割くという方法もぜひご検討ください。